その昔、島内には108の岩窟があったといわれ、その跡が現在は約50残っています。
岩窟に卒塔婆を彫りつけた跡がいくつも残る壁が見受けられ、当時の修行僧らが波音を耳にしながら修行に励んだことを物語っています。
緑の松におおわれた島からは、海岸一帯あるいは湾内に浮かぶ五大堂島、双子島、福浦島が見渡せます。
橋を渡り道を左に曲がって短いトンネルをくぐると、四方に岩窟のある崖とわずかばかりの平地があります。
ここは見仏上人が法華教六万部を読通した見仏堂の跡で、奥の院といわれたところです。
うっそうと樹木が茂り、現在でも薄暗いところですが、その昔はいかばかりも寂しい場所であったのでしょう。
見仏上人がここに12年もの永い間住んでいたことを思うと、その修行ぶりが並々ならぬものであったと偲ばせるものがあります。
■松島海岸駅から徒歩3分

■交通アクセス
 

骨塔

穴の中に火葬後の遺骨や遺髪を納めて供養するためのもの。
 

妙覚庵跡

雄島の名を京の都まで知らしめた高僧・見仏上人や、その再来と崇められた頼賢が修行を続けた草庵の跡地。
 
板碑 

南北朝から室町時代ころに流行した供養塔の一種。
雄島ではさまざまな形式の板碑が発見されている。
上部に梵字と呼ばれる仏を一字で表す文字が彫られていることが特徴。
真珠稲荷神社

江戸の便船が暴風に巻き込まれた際、以前助けた白狐に救われたという逸話から、海難防止の守り神とされる。
毎年3月15日には祭典が行われる。